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3.32025
ホームページにおける写真の重要性と注意点
ホームページの印象を左右する要素の半分は写真だと考えています。
もちろん、どれだけ素晴らしい写真を使っても、ウェブサイトのデザインが悪かったり、掲載されている文章が薄っぺらいものであれば、写真の良さは活かされません。写真だけがすべてではないものの、訪問者がホームページを見た瞬間に直感的に判断する要素の一つとして、写真は非常に重要です。
訪れたサイトにどんなに素晴らしい記事が書かれていても、写真が魅力的でなければ、真剣に読まれず、あるいは「戻るボタン」を押されてしまうこともあるでしょう。反対に、メインビジュアルに素晴らしい写真があると、より興味を持ってサイトの内容を詳しく見てもらえることもあります。
今回は、ホームページにおける人物写真の扱いについてお話しします。
集合写真の掲載

企業のホームページでは、社員が写った集合写真をメインビジュアルや会社案内のページに掲載することがあります。これは、会社の雰囲気を伝えるうえで有効な手段です。特に弁護士事務所、税理事務所、司法書士事務所など、士業と呼ばれる業種ではユーザーは潜在的になんどか怖そうと感じている場合があるので職員の方の笑顔の写真があるだけで安心出来ます。
作業中のスタッフ写真


サービス業や建築業などでは、業務の様子を伝えるために作業中の写真を掲載することが多いです。これにより、企業の雰囲気が伝わりやすくなり、消費者や求職者にとっても良いアピールになります。
ただし、どちらの場合も共通して問題となるのは「退職した社員の写真をどうするか」という点です。
退職した社員の写真掲載は問題になる
一般的に、従業員が退職した後もホームページに写真を掲載し続けることは、個人情報保護法に違反すると考えられています。
ホームページやパンフレット、チラシなどに社員の写真を掲載する目的は、社員を社外の人に紹介することです。しかし、退職後は従業員ではなくなるため、掲載を続けることは目的外使用となり、法律違反に該当する可能性があります。
企業としては、「せっかくプロのカメラマンを呼んで撮影したのに、退職したら削除しなければならないのか」と思うかもしれません。しかし、逆の立場になって考えてみると、会社を辞めたのに自分の写真がずっと掲載されているのは不快に感じるでしょう。また、新しい職場にも迷惑がかかる可能性があります。
結果的に、削除せざるを得なくなるでしょう。
さらに、もし退職した社員の写真が削除されずに残っていた場合、その社員がSNS(Xなど)で「会社に削除をお願いしても対応してもらえない」と発信した場合、企業の評判が損なわれる可能性があります。特に、銀行などの金融機関は炎上リスクに敏感であり、信用問題に発展すれば融資の見直しをされることもあります。写真一つであっても、誠実な対応が求められるのです。
退職者対応のための写真撮影の工夫

画像編集ソフトを使って、退職した社員にボカシを入れるという方法もありますが、集合写真の中で一人だけボカシが入っていると、かえって目立ってしまうという問題があります。上の写真の場合、歯科医師よりもむしろボカシを入れた歯科衛生士の方が気になります。
そのため、写真撮影の段階から退職の可能性を考慮することが重要です。
- 集合写真は定期的に撮り直す:退職者が出た場合、迅速に最新のメンバーで撮影し直す。
- 作業中の写真は複数パターン撮影する:同じ構図でもスタッフを変えて写真を撮影しておけば、退職者が出た場合でもすぐに差し替えできる。
- 外部モデルを活用する:飲食店などのイメージ写真であれば、外部モデルを使うとトラブルになりにくい。
モデルを活用する際のポイント
企業の宣伝写真でモデルを使うと、スタッフの退職リスクを回避できます。実際に、大手飲食チェーンでは、ウェイターやレジスタッフの写真はほぼすべてモデルが起用されています。
「モデルを雇うと高額なのでは?」と思うかもしれませんが、実際には費用はピンキリで、安い場合は日当1万円程度で依頼できることもあります。
ただし、モデルを活用する場合は 使用範囲の契約を明確にすることが重要 です。
- 使用期間:無期限か、1年ごと(もしくは月ごと)の契約更新か。
- 使用媒体:ホームページのみか、チラシやパンフレットなどの紙媒体もOKか。
- 肖像権の取り扱い:モデルが将来的に使用停止を求めることはないか。
前もって契約をしっかり交わしておかないと、後々トラブルに発展する可能性があるため、事前の確認が必要です。
高品質な写真を活用する重要性
近年では、アドビストックやピクスタなどの素材サイトで高品質な写真を入手することも可能です。しかし、オフィスや店舗の雰囲気を伝えるには、自社で撮影するのがベストです。
ホームページに掲載する写真は、消費者や求職者に対する強いアピール材料となります。適切な写真を使用することで、企業の印象を良くし、信頼性を高めることができます。
まとめ
ホームページの写真は訪問者の直感的な判断に大きく影響し、退職した社員の写真を掲載し続けると個人情報保護法違反のリスクがあるため、退職リスクを考慮した撮影計画を立て、差し替え可能な写真を用意し、モデルを活用する場合は使用範囲を明確に契約し、高品質な写真を使うことで企業の魅力を最大限に引き出し、適切な写真の活用と誠実な対応で企業のブランド価値を高めることが重要です。
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