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ドリルを買う人は?

マーケティングの世界には、「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」という格言があります。1968年に出版されたT・レビット博士の著書「マーケティング発想法」に記載された一文です。

当然ながら、ドリルを購入する人はドリル本体をコレクションするためではなく、効率よく穴を開けるためにドリルを選びます。

実はこのドリル穴理論(勝手にそう呼びます)、ホームページを制作するうえでも一つの指針になるのではないのかと思っています。

ホームページを制作する企業や店舗にはそれぞれ目的があります。ブランディングのため、出来るだけ洗練されたデザインにしようという企業もあれば集客よりも求人のためという企業もあります。また、ホームページはかつてのタウンページ(職業別電話帳)のように社名を掲載されたときに出てくればいいといった集客や求人とは別の会社案内用のパンフレットとして存在しているケースもあります。もちろん、集客のツールとして必要不可欠なのはいうまでもありません。

問題はその目的とズレたホームページが少なからず存在していることです。

一般的に今の時代、皆、忙しく一つのホームページに留まって、一言一句欠かさず隅々まで読むことはあまりありません。パッと見て、自分自身が求めている情報が掲載されていれば文字を追っていきますし、感覚的な話になりますが、サイトのデザインや仕様が自分の好みと合わなければ長居をせず、他のホームページに移るケースが大半だと思います。

少しショッキングな話ですが、書き手がいくら一生懸命記事を書いたところで、読み手はそこまで真剣に記事を読んでくれないのです。ましてや、有料のサイトならともかく、無料で見れるものであれば尚更です。

つまり、真剣に読まれない、これを踏まえてホームページを作るべきだと思います。

もう何回も書いておりますが、動きのあるホームページ、これはブランディングが目的のイメージ戦略の一つとして存在しているのであればともかく、集客や求人には百害あって一利なしです。ページをスクロールするたび文字がふわっふわっと浮かび上がる、これなどいらない機能の最もたるだと思います。同様にマウスオーバーすると画像が回転したりするエフェクトもわずらわしくてたまりません。

事実、弊社が携わったクライアントでホームページでの営業活動(求人を含む)が成功している企業・店舗のほぼすべてが無駄をそぎ落とし、ユーザーが求めているであろう必要な情報のみを掲載し、表現の方法も出来る限りシンプルで分かりやすいサイトにしています。

特に初めてホームページを制作される方や暫くぶりにリニューアルされる方は出来るだけ洗練されたデザインにしようと意気込みがちです。その意気込み自体はまったく無関心の企業よりもよっぽど健全であるといえますが、問題は意気込み過ぎて、それは本来ならば配達用の軽トラックが必要なのにフェラーリを買ってしまうようなミスを犯してしまうことが少なくありません。

そんなバカなと一笑に付されるかもしれませんが、ホームページに関しては非常にその傾向が強いです。

実際、他のホームページ制作会社でホームページを作ったがまったく問い合わせがなくて困っているといったご相談を受けることが多いですが、サイトを見てみると、お金を掛けただけあってなるほどよく出来ています、でも、この企業(店舗)に必要なのはこういった小洒落たホームページではなく、もっと消費者の側に寄り添った分かりやすくシンプルなホームページだよなと思ってしまいます。

デザイン性に特化したホームページをわざわざシンプルにするはかなり勇気がいります。ましてサイトの制作に何十万円(場合よっては百万円単位)を掛けたのであれば尚更です。ましてや社長自ら陣頭に立ちデザインコンセプトを考えたら尚のこと愛着もあることでしょうし、ともすれば自分自身を否定された気分になるかもしれません。

ですが、「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」をもう一度考えて欲しいのです。あなたが欲しいのはコレクターとしてのドリルなのか、或いは穴を開けるためのドリルなのかということを。

コレクターとしてドリルを持つこと自体が目的であればホームページも今のままでいいと思います。ただ、同業他社はホームページで集客出来ているのにウチはさっぱりだなとお悩みであれば今一度ドリルを購入する意味を考えた方がよろしいかと思います。

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